中小企業白書(2025年度版)について

2025年度版中小企業白書は、円安・物価高騰、金利のある世界への回帰、構造的な人手不足といった厳しい外部環境下で、中小企業が成長・持続的発展を遂げるための「経営力」の重要性を強調しています。

主な要点は以下の通りです。

  • 経営者の「経営力」向上: 経営者自身のリスキリング(学び直し)や、異業種・広域のネットワークへの参加が、新たな発想獲得や成長意欲醸成に繋がると示唆されています。
  • 経営計画の策定と運用: 長期的な視点での経営計画策定と実行が、付加価値額の増加に大きく寄与します。
  • 適切な価格設定と価格転嫁: 自社の製品・サービスの差別化や市場環境に対応した価格設定、価格転嫁の推進が、経常利益率向上や賃上げの好循環を生み出します。
  • 人材確保と育成: 従業員を大切にする人材経営(賃上げ、社内コミュニケーション円滑化、働き方・職場環境改善)が、人材の確保・維持に貢献します。
  • DX推進と設備投資: 業務効率化や生産性向上のため、デジタル化の推進や老朽化設備の更新、省人化・省力化設備の導入が不可欠です。
  • 「成長の壁」の打破: 売上高規模に応じた課題(補完型人材確保、経営人材・DX人材確保、M&Aや海外展開)を乗り越えることが重要です。

白書は、中小企業がこれらの課題を乗り越え、地域経済・日本経済全体の成長を牽引する存在となるための道筋を示しています。
2025年度版中小企業白書はこちら